拿捕から解放のタンカー、英領ジブラルタルを出航 イラン国旗掲げ
(CNN) 英領ジブラルタルの当局が先月に同地沖で拿捕(だほ)したイランの石油タンカーが18日、解放されてジブラルタルを離れた。地元メディアや船舶の追跡サイトなどが伝えた。
タンカーの拿捕を巡り、イラン政府と西側諸国との間では緊張が高まっていた。タンカーはイラン国旗を掲げて出航したが、目的地は明らかになっていない。
イランの駐英大使はツイッターで、タンカーの出航に向けた種々の手続きや船員の確保などを24時間体制で行ったと説明した。
タンカーは7月4日、ジブラルタル近海を通過中に拿捕された。シリアへ石油を輸送中との証拠を当局が入手したためだ。シリアへの石油輸送は欧州連合(EU)制裁違反に当たる。
イラン側はタンカーがシリアへ向かっていたとの見方を否定。2週間後にペルシャ湾で英国船を拿捕したことで報復措置に出たとの認識が広がっていた。
ジブラルタルの最高裁は今月15日、タンカーの解放を認める判断を下した。イランと石油の所有者から、解放後も積み荷をシリアに輸送しないとの確約を得たという。
米国はこの直前、ジブラルタルに拘束延長を求めたものの、要請は受け入れられなかった。