ヤンゴンで死亡した抗議デモ参加者を追悼する人々=11日/Stringer/Getty Images
(CNN) 軍がクーデターで実権を握ったミャンマーで14日、治安部隊が抗議デモの参加者に発砲して、少なくとも38人が死亡した。中国資本の複数の工場で火事が発生し、一部地域では戒厳令が出された。
ミャンマーの政治犯を支援する団体AAPPによれば、最も多くの死者が出たのは最大都市ヤンゴン郊外の工業地ラインタヤ地区で、軍や警察が非武装のデモ参加者に発砲し、少なくとも22人が死亡した。同地区は戦場のようになったという。
これ以外にも第2の都市マンダレーなどミャンマー各地で14日、少なくとも16人が死亡した。ロイター通信によれば、国営メディアはバゴーでデモ隊と対峙(たいじ)した警官が胸部の傷がもとで死亡したと伝えた。デモに関連して報じられた警官の死者としては2人目となった。
ラインタヤ地区で煙が上がる=14日/Stringer/Anadolu Agency/Getty Images
AAPPによれば、週末の死者によってクーデター以降の死者数は少なくとも126人となった。
在ミャンマー中国大使館によれば、ヤンゴンの工業区にある中国資本の複数の工場が壊されて火がつけられた。中国の民間人も負傷した。
放火の実行犯は不明で、犯行声明も出ていない。
クーデターや公選者の拘束への抗議デモが続く中、治安部隊が道路を封鎖=14日、ヤンゴン・ラインタヤ地区/Stringer/Anadolu Agency/Getty Images
中国国営の中国国際テレビ(CGTN)は大使館の声明を引用し、「中国はミャンマーに対し、すべての暴力行為を阻止するためのさらなる効果的な措置を行うことを要請する。法律にのっとって犯人を処罰し、ミャンマーにおける中国企業とその人員の生命及び財産の安全を確保することを求める」と述べた。
クーデターに抗議する人々は中国に対して不信感を抱いておりヤンゴンにある中国大使館はしばしばデモの標的となっている。デモ参加者は中国政府がクーデターや軍事政府を支援していると非難している。
中国はクーデターを直接的には批判していないが、国連安全保障理事会による「平和的なデモ参加者に対する暴力を強く非難」し、軍に対して「最大限の自制」を求める声明については支持をしている。
ヤンゴンで死亡した抗議デモ参加者を追悼する人々=11日/Stringer/Getty Images
国営メディアによれば、軍はラインタヤ地区に戒厳令を敷いた。地元メディアによれば、シェピタ区にも戒厳令が出された。軍は15日、さらにヤンゴンの4つの地区に戒厳令を出した。