コロナ起源、研究所でなく動物媒介の可能性大 WHOの報告書案
(CNN) 新型コロナウイルスの起源を調査していた国際共同チームの報告書は、ウイルスがコウモリのような動物から中間宿主の動物を介して人間に感染した可能性が高いと結論付けていることが分かった。
世界保健機関(WHO)が30日に発表する報告書の草案を、CNNが入手した。研究所からウイルスが流出した可能性は低く、新型ウイルス感染症が初めて確認された2019年末より前から感染が広がっていたことを示す証拠は見つからなかったとする内容だ。
報告書は中国人17人を含む34人の研究者とWHOなどの専門機関が執筆し、国連食糧農業機関(FAO)がオブザーバーとして参加した。今年1月から2月にかけ、中国・武漢で行った実地調査を踏まえた結論をまとめている。
草案では考えられる起源として4つのシナリオを示し、最も可能性が高いのは中間宿主を介した感染だと指摘。自然界で捕獲され、農場で飼育される動物が媒介したとみられるが、具体的にどの動物かは依然不明としている。
2番目のシナリオとしては、コウモリや希少ほ乳類のセンザンコウなど、類似のウイルスを持つ動物から直接人間に感染したという説を挙げた。ただしコウモリのウイルスから新型ウイルスへの進化には数十年の隔たりがあると推定され、その空白はどうつながったのかというなぞが残る。
3番目は冷凍または冷蔵の食品を介した感染。最も可能性が低いのは研究所の事故による流出説とされた。