結党100年を迎える中国共産党、「赤い遺伝子」がかつてなく重要に
中国・延安(CNN) 中国共産党は断固として無神論を掲げる政治組織だが、党の起源に関しては宗教的な表現を使うことを好む。
党の文献や国営メディアでは、かつて共産党の拠点となっていた場所が「聖地」と位置付けられている。共産党への「信仰」の「洗礼」を授ける狙いから、一般党員がこうした場所を訪れるのはほぼ義務となっている。
共産党の幹部養成機関、中国延安幹部学院で教鞭(きょうべん)を取るワン・ドンチャン氏は先月11日、「毛沢東はかつて、人民こそ我々の神だと言った」「我々は人民をより良い未来に導くことを信念としている」と語った。
CNNはこのほど、他の海外メディア二十数社とともに、政府が主催する延安と西柏坡のツアーに参加した。どちらも「赤い史跡」として名高く、結党間もない中国共産党はこれらの場所で規模と勢力を拡大した後、激しい内戦を経て1949年に中国本土を掌握した。
中国共産党が7月に結党100年を迎えるのを前に、習近平(シーチンピン)国家主席の下ではこのところ、9100万人に上る党員の「赤い遺伝子」を強化することが最優先事項になっている。習氏は中国共産党の現トップで、中国の指導者としては中華人民共和国を建国した毛沢東以降、最も強力な存在だ。
習氏は党の機関誌に最近掲載された一連の発言の中で、党員に「赤い資源を活用し、赤い遺伝子を継承し、赤い国を世代から世代へと引き継ごう」と呼び掛けた。そして「赤い史跡」は今、習氏の取り組みの中でますます重要性が高まっている。