ガザから飛ぶ「風船爆弾」とは? イスラエルとハマスの新たな火種を解説
(CNN) イスラエル国防軍は、数十もの「風船爆弾」を同国へ向けて放ったとして、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配する武装組織ハマスを標的とした空爆を実施した。
当局の発表では、風船爆弾による火災が15日に少なくとも20件発生。パレスチナ側のメディアは、報復としてイスラエルが実施した空爆により物的被害があったものの、犠牲者はいなかったと報じた。
16日にはさらに多くの風船が放たれ、イスラエルの消防および救急当局によると少なくとも4件の火災が発生した。
武装勢力側は数年にわたりイスラエルに向けて風船爆弾を放ってきたが、今回ガザ地区を狙うイスラエル軍の報復爆撃は今まで以上の激しさとなっている。これについてイスラエル当局は、ハマスに対していかなる挑発も武力で応じるとのメッセージの一環だと話している。
覆面をした「イスラム・ジハード」の支持者が風船爆弾を飛ばす=15日/Mahmud Hams/AFP/Getty Images
先月発生したガザ地区での軍事衝突時に閣僚を務めていたイスラエル・カッツ前財務相は、この軍事作戦の後に「方針の変更を決めた」とツイート。「イスラエル内での全ての攻撃に対しては、狙いを定めた暗殺、ハマスを標的とした大規模な攻撃が実施される」と述べた。
ここでは風船爆弾について、そしてそれが現在の緊張関係にどう影響するのかをまとめた。
風船爆弾とは何か?
風船爆弾の仕掛けは、比較的シンプルだ。
子どもたちの誕生日パーティーの飾りでしばしば目にするような、ヘリウムガス入りの風船に、前もって着火させた爆発物や装置が装着してある。
武装勢力の戦闘員らはガザから風船を放ち、風船は地中海から吹く風の力を得てイスラエル領内に飛来する。