米国人ジャーナリストに禁錮11年 ミャンマー
(CNN Business) ミャンマーの軍事裁判所は、勾留中の米国人ジャーナリスト、ダニー・フェンスター被告(37)に対し、非合法組織と違法な形でかかわった罪などで禁錮11年の判決を言い渡した。同被告の弁護士が12日に明らかにした。
フェンスター被告はミシガン州デトロイト出身。今年の5月24日に逮捕されたが保釈を認められず、最大都市ヤンゴンにあるインセイン刑務所に勾留されている。
弁護士は12日の公判で、同被告について、ミャンマー軍が起訴した3つの罪状で有罪になったと説明した。同国は2月1日のクーデター以降、軍が実権を握っている。
罪状はビザ(査証)に関する違反、非合法組織と違法な形でかかわった罪、同国の刑法第505条A項に基づく煽動の罪の3つ。当該の項目では「恐怖を引き起こす」コメントの公開・流布のほか、「フェイクニュース」を拡散することを犯罪と規定している。
判決では現地の通貨で、50ドルに相当する罰金刑も言い渡された。
クーデター以降、ミャンマーではおよそ126人のジャーナリストが拘束され、約47人はいまだに釈放されていない。
フェンスター被告に対しては今週、煽動とテロリズムに関する法律に基づき、新たに2つの刑事訴追が行われた。これらで有罪になった場合の量刑は、最高なら終身刑だと弁護士は説明する。2つの訴追は別々に審理される。
フェンスター被告は現地のニュースサイト「フロンティア・ミャンマー」の編集幹部を務めていた。家族に会いに米国へ出発しようとした際、ヤンゴン国際空港で拘束された。同被告がなぜ上記の刑事訴追の対象になったかは不明。
CNN Businessはミャンマー軍にコメントを求めている。
フロンティア・ミャンマーはフェイスブックに投稿した声明で、今回の判決に対する「深い落胆」を表明した。