集団墓地に民間人150人の遺体か、強まる「戦争犯罪」の声 ウクライナ
米国のブリンケン国務長官はロシアによる戦争犯罪の捜査と、対ロ制裁の強化を呼び掛けた。
英国のトラス外相も3日、民間人に対する「無差別攻撃」を戦争犯罪として捜査する必要があると発言。欧州理事会のシャルル・ミシェル議長は対ロシア制裁の強化を表明し、国連のグテーレス事務総長はブチャでの民間人殺害について独立した調査が不可欠だと述べた。
ウクライナ大統領府のアレストビッチ顧問は3日、キーウ郊外のブチャやイルピン、ホストメリから、ロシア軍の「戦争犯罪、人道犯罪」による「世界滅亡後」のような光景が伝えられていると述べ、子どもを含む民間人の殺りくや強姦、強盗などの行為が国内外で裁かれることになると語った。
国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は3日、ロシア軍の占領下にあったキーウや北部チェルニヒウ、東部ハリコフの周辺で2月末から3月にかけ、民間人の男女や子どもが銃殺されたり、女性が避難先で繰り返し強姦されたりしたとする報告書を公表した。
一方、ロシア国防省はブチャからの映像を「偽物」だと断じ、占領中に暴力を受けた住民は「一人もいない」と主張。ロシア軍はこの間、住民に452トンの人道物資を配布したとする声明を出した。
同省さらに別の声明で、複数の外国メディアがブチャのニュースを一斉に報じたのは計画的に仕組まれた作戦だと非難。ロシア軍部隊が先月30日に撤退してから映像が流れるまでの4日間の空白は、映像が偽物であることを裏付けているとの主張を展開した。