ロシア、近く最大級の戦果喪失か ヘルソン州で民間人の移転強化
ウクライナは先週、国連安全保障理事会でロシアの「選別」の仕組みを糾弾。ウクライナの代理の国連大使はウクライナ人がロシアもしくはロシアの支配する領土に無理やり連れていかれ、殺害されたり拷問されたりしていると訴えた。
この大使によると、数千人の民間人が強制的にシベリアや極東といった隔絶かつ窮乏した地域に向かわされているという。
極めて重要な戦略都市
ウクライナへの全面侵攻開始からわずか7日目で、ロシアはヘルソン市を奪取した。これはロシアにとって戦略上及び政治宣伝上の鍵を握る勝利となった。
地理的にヘルソン市の攻略は極めて重要だった。ウクライナの中心を流れる大動脈、ドニプロ川の河口に位置し、クリミア半島に水を供給する運河からも遠くない。ウクライナ政府はロシアがクリミア半島を違法に併合した2014年に、この運河を閉鎖した。
ヘルソン市はロシアが占領した最初の主要都市であり、2月以降奪った唯一の州都。占領下の都市ではマリウポリに次ぐ規模の人口を抱える。
しかし、18日にはウクライナ国防省の情報総局長キリロ・ブダノフ少将がヘルソン奪還への自信を表明。「年末までに相当な進展が見込めるだろう」と語った。
「重要な勝利を収めるはずだ。まもなくわかるだろう」(ブダノフ氏)