女子生徒狙う毒物事件が多発、数百人に健康被害 イラン報道
国営イラン通信(IRNA)によると、副保健相は26日の記者会見で、「ゴムの複数の生徒が毒物の被害に遭い、人々が全ての学校、特に女子校を閉鎖させたがっていることがはっきりした」と発言した。しかしファルス通信は、引用に誤りがあったとして副保健相が後にこの発言を撤回したと伝えている。
一方、ゴム在住の女性は28日、娘2人が別々の学校で毒物の被害に遭ったとCNNに証言した。そのうち1人は先週被害に遭い、重い症状を患っているという。女性は家族の身の安全を恐れて匿名で取材に応じた。
この女性はゴム市内の病院で2日間、数人の生徒に付き添っていたという。自分の娘は吐き気や呼吸困難、左脚と右手のしびれなどの症状があるといい、「今は右足に問題があり、歩行が難しい」と訴えた。
各地の活動家や政治家は、政府に対して捜査に力を入れるよう求めている。イラン教員組合広報は26日、「女子校の生徒の毒物事件は故意だったことが確認され、無差別でも偶然でもない」とツイートした。
相次ぐ毒物事件は、女性の自由を求める抗議運動と関係しているとの見方が強まっており、「服装の自由の恩恵をかき消すため、(当局は)国民の不安をかき立てる必要がある」と同広報はツイートしている。
一連の報道について米国務省のネッド・プライス報道官は3月1日の記者会見で「非常に不穏で、非常に憂慮される」と述べ、「ただ学ぼうとしている女子に毒を使うとは憎むべき行為だ」と述べ、イラン当局に徹底捜査を促した。