ANALYSIS

首都へのドローン攻撃で、ウクライナの戦火がロシアにも

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ドローン攻撃を受けて損傷した建物=30日、ロシア首都モスクワ/Lev Sergeev/Reuters

ドローン攻撃を受けて損傷した建物=30日、ロシア首都モスクワ/Lev Sergeev/Reuters

だが30日の攻撃は、これまでの攻撃とは意味合いが異なっているようだ。第一に、今回の攻撃はクレムリンへの怪しげなドローン攻撃とは違い、ロシア国家を相手にした象徴的な攻撃ではなかった。むしろ、ロシア政界や経済界のエリート階級の懐に入り込んで攻撃を仕掛けたように見える。明らかにドローンの一部はモスクワ南西郊外の高級エリア「ルブレフカ」を狙ったか、あるいは上空を飛行していた。ここは新興財閥(オリガルヒ)や政治家、政府高官が暮らす、ゲート付きの高級住宅地だ。またプーチン氏が大半の時間を過ごすことで知られる大統領公邸「ノボオガリョボ」からも目と鼻の先だ。

ロシア議会のアレクサンドル・ヒンシュテイン議員は30日、複数のドローンがルブレフカで撃ち落とされたと述べた。そのうち1機はノボオガリョボから約2.5マイル(約4キロメートル)離れたイリンスコエという村で撃ち落とされたという。CNNはドローンが上空を飛行するイリンスコエ村からの映像を解析し、位置情報を特定した。

ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官はオンラインで行われた記者会見で、プーチン大統領が30日のモスクワ攻撃の後クレムリン宮殿で、仕事にとりかかるやまっさきに「警察当局、非常事態省、モスクワ市長、モスクワ州知事から直接報告を受けた」と述べた。

「みな適切に対応した」「防空システムも問題なく作動した。明らかに今回の出来事は、(ウクライナの)意思決定機関の一つを我々が効果的に攻撃したことに対する、ウクライナ政府の報復だ」(ペスコフ報道官)

だがロシアの民間軍事会社ワグネルを率いるエフゲニー・プリゴジン氏は、ルブレフカの攻撃が象徴する意味を見失っていない。

攻撃の後、ワグネル指導者は記者からの質問に答える形で、ひわいな間投詞をたっぷり交えてロシア国防省高官に批判を浴びせた。

「ドローンにモスクワを攻撃されるなんて、くそったれ」とプリゴジン氏。「ルブレスカのお前らの家にドローンが向かっているというのに、まったく! お前らの家など焼けてしまえ」

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