ハマス当局者、生存する人質の人数は「誰にも分からない」
レバノン・ベイルート(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区に依然として拘束されている120人の人質の命運は、長引く流血の紛争に終止符を打つあらゆる取り決めにとって極めて重要だ。現地ではイスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘が続いている。しかしハマスの高官はCNNの取材に答え、生存している人質の人数は「誰にも分からない」と明らかにした。その上で、人質を解放するためのいかなる協定も恒久的な停戦の保証とイスラエル軍のガザからの完全撤退を盛り込むものでなくてはならないと強調した。
レバノンの首都ベイルートで行われたCNNとのインタビューの中で、ハマスの政治部門のメンバーで報道官を務めるオサマ・ハムダン氏は、膠着(こうちゃく)状態に陥った停戦協議に対するハマスの立場などについて語った。
同氏は俎上(そじょう)に上がっている最新の停戦案について、戦争終結に向けたハマスの要望を満たしていないと指摘した。イスラエルが同意したとされるこの案は、バイデン米大統領が先月初めて公表していた。
ハムダン氏によれば、ハマスが求めるのは停戦並びにガザからの完全撤退を受け入れるとする立場をイスラエルが明確に示すことだという。同時にパレスチナ人が自分たちで将来を決定すること、ガザの再建と包囲の解除も明確に認めるようイスラエル側に求めている。その上で、「囚人の交換に関する公平な協定については、話し合う用意がある」と述べた。
今回の紛争につながった昨年10月7日のイスラエル南部への奇襲について、ハマスは後悔しているのかどうか問われると、ハムダン氏はイスラエルに現状の責任があるとの見方を表明。攻撃はイスラエルによる占領に対する反発だったと主張した。