ガザの下水でポリオウイルスを検出、新たな疾病拡大を懸念

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稼働しなくなったガザ市内の汚水処理場近くにごみが溜まる様子/AFP/Getty Images

稼働しなくなったガザ市内の汚水処理場近くにごみが溜まる様子/AFP/Getty Images

(CNN) パレスチナ自治区ガザの保健省は20日までに、域内での下水サンプルの調査で感染力が強いポリオウイルスが検出されたと発表した。

調査には世界保健機関(WHO)も加わった。数千人規模の住民が手足のまひなどが起きるポリオに感染する恐れがあると警告した。調査データは先月23日に南部ハンユニスや中部デイルアルバラで集めたもので、6カ所で採集したサンプルからポリオウイルス2型(VDPV2)を見つけたという。

WHOは今回の検出について昨年10月7日に始まったガザでの戦闘がもたらした「悲惨な衛生状態」に原因があるとした。

ただ、ポリオと関係づけられるまひ症状などを起こした住民の治療例はこれまで報告されていないと指摘。その上でガザ住民はポリオが流行する危機と向き合うことを強いられてもいると続けた。

国連児童基金(ユニセフ)や国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)などを含む様々な国連機関がガザの衛生行政当局と協働し、ポリオウイルスがどの程度拡散するのかを調べているとした。

WHOによると、ガザでは25年以上前にポリオ根絶が宣言されていた。ポリオワクチンの接種率は戦闘勃発前には最適な水準にあり、2022年には95%だった。戦闘がポリオなどの疾病が広がる「完全な環境」を生じさせたとも説いた。

ガザ保健省は声明で衛生状態の改善を訴えながら、「下水でのポリオウイルスの存在は現実的な健康災害の前兆」とし、「イスラエル侵略の即時停止」を要求した。

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