イスラエル首相、人質解放への報奨金を発表 1人につき7.7億円
(CNN) イスラエルのネタニヤフ首相はパレスチナ自治区ガザ地区の住民らに対し、同地区でイスラム組織ハマスに拘束されている人質の解放に協力した場合、巨額の報奨金を支払う方針を示した。
ネタニヤフ氏は19日、カッツ国防相とともにガザ地区中央部を横断する道路「ネツァリム回廊」を訪問。現地で「この混乱から抜け出したい者に告ぐ。人質をこちらに連れ戻せば、本人と家族に安全な脱出を保証し、人質1人につき500万ドル(約7億7000万円)を支払う」と語った。
これに対して、今もガザで拘束されている人質の1人、マタン・ザンガウカー氏の母親は、「首相は人質の命を取引している」「ハマスに金を渡そうとしている」と反発を示した。そのために人質は危険にさらされると訴え、「これが首相の戦略なら、人質を救うつもりはないということだ」と語った。
ネタニヤフ氏に対しては、戦争を長引かせて権力の座にとどまるため、人質解放交渉を故意に停滞させているとの批判があるが、同氏自身はこれを否定している。
ハマスは昨年10月7日、イスラエルへの奇襲攻撃で1200人以上を殺害し、250人以上を人質に取った。今もガザに残されている人質は97人。このうち少なくとも34人については、イスラエル軍がこれまでに死亡を確認した。