カナダと豪州、北極圏の安全保障で協力 レーダーシステムを共同で建設へ
(CNN) カナダとオーストラリアが北極圏で新たな軍事レーダーシステムを共同で建設する計画が明らかになった。カナダのカーニー首相が明らかにした。世界的に北極圏への関心が高まるなか、カーニー氏は、「敵対国はますます大胆になっている」と警告した。
カーニー氏はヌナブト準州で記者団に対し、カナダ政府は長年の安全保障のパートナーであるオーストラリアと協力して、新たな長距離軍事レーダーシステムを建設すると明らかにした。
カーニー氏は、最も先進的で効率的なレーダーシステムにより、カナダが北極圏の空と海の脅威について、より早くより遠くから探知して、対応することができるようになると語った。
カナダが北極圏に導入する新たな防衛インフラはいずれも、カナダと米国の防衛を担う北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)との互換性を持つ必要があるだろう。
カーニー氏は「カナダは特にNORADとのパートナーシップを強化しなければならない」とし、今回の発表について、NORADへの関与を強化するものであり、カナダは自国を守る際には他国を頼ることはできないし、頼るべきでもないと訴えた。
カーニー氏によれば、北極圏での軍事プレゼンスの拡充に向けて4億2000万カナダドル(約440億円)を支出する。
カーニー氏は「我々の敵はますます大胆になっている」と指摘。「カナダの安全を維持してきた国際的な機関や規範が今、疑問視されている。かつてはカナダの優先事項と密接に一致していた米国の優先事項も変化し始めている」
戦略的にも環境的にも敏感な北極圏に領土を持つのは、カナダをはじめ、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、ロシア、スウェーデン、米国のわずか8カ国で、影響力をめぐる争いは激しくなっている。