絶滅の瀬戸際だったグアムクイナ、ほぼ40年ぶりに復活
(CNN) 野生の個体は40年近く前に絶滅したとされ、飼育下でしか生息していなかったグアム島固有の鳥「グアムクイナ」が、オーストラリアと日本の間の太平洋上にある小さな島で繁殖しつつある。
絶滅の恐れがある野生生物を記載した国際自然保護連合(IUCN)の2019年のレッドリストで、グアムクイナはそれまでの「野生絶滅」から、「絶滅危惧IA類」に格上げされた
こうした形で過去に絶滅の瀬戸際から復活した鳥類は、カリフォルニアコンドルの1種のみだった。
グアム島は第2次世界大戦中、旧日本軍に占領され、1944年に米軍によって解放された。だがその後間もなく、米国の貨物船に紛れ込んでいたと思われる外来種のヘビ、ミナミオオガシラが出没するようになる。
ミナミオオガシラはグアムの在来動物を餌にして瞬く間に猛繁殖。森林に生息する固有種の鳥12種のうち10種が、このヘビのために絶滅した。
21年にわたってグアムクイナの保護に取り組んでいるグアム農務省の専門家、スザンヌ・メディナ氏によると、鳥類の死滅は連鎖反応を引き起こした。種を運んでくれる鳥がいなくなったことから森林はやせ細り、鳥の餌となっていたクモは激増した。
ヘビが送電線を伝って起きる停電も頻発するようになった。