ウクライナ選手団、ロシアとベラルーシの国際大会出場禁止を要求 北京パラも対象に
(CNN) ウクライナのスポーツ選手や競技連盟が国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長と国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドリュー・パーソンズ会長に宛てた公開書簡で、北京で始まる冬季パラリンピックなどの国際大会にロシアとベラルーシを出場させないよう求めた。
書簡ではロシアによるウクライナ侵攻を「明らかなオリンピック憲章およびパラリンピック憲章違反」と位置づけ、「強硬な制裁で対応しなければならない」と主張。「ロシアとベラルーシによる我が国への侵略的攻撃の結果、選手や我が同胞、家族、友人が重大な危険にさらされている」と訴えた。
書簡にはウクライナのスポーツ連盟代表や選手ら多数が署名。「国際社会に加わってロシアとベラルーシに制裁を科すことを求める」と述べ、「ウクライナの選手たちはこの呼びかけにおいて団結している。防空壕(ごう)に避難しているウクライナの全選手と連絡を取ることは困難を極めた」と強調した。署名にはウクライナのバイアスロン、リュージュ、ボブスレー、スケルトンの各連盟に所属する選手が名を連ねている。
この書簡を受けてIOCは2月28日、ロシアとベラルーシの選手の国際大会出場禁止を「勧告した」と説明。ただ、「組織的または法的理由で通告期間が短い」ために出場禁止ができない場合、選手やチームは中立的な立場で出場すべきだとしている。IOCはこの措置について、3月4日~13日まで北京で開かれる冬季パラリンピックに出場予定のロシアおよびベラルーシの選手も対象になるとCNNに説明した。
IPCは3月2日に理事会を開いてこの問題について協議する。
一方、ロシアオリンピック委員会(ROC)は、ロシア人選手の国際大会への出場を禁止するとしたIOCの決定に強く反発。28日にウェブサイトに掲載した声明の中で、この決定について「IOCの規定文書と(オリンピック)憲章の両方に違反する」と強調した。
その上で、「ロシアオリンピック委員会は一貫してロシア人選手の権利と利益を守り、それぞれの国際連盟によるこの差別的な決定に対して異議を申し立てる我が国の連盟を全面的に支援する」としている。