アルカイダは米軍より正直者? 無人機攻撃続くイエメン
無人機作戦の重大な問題はここにある。米軍が誤って民間人を殺害した場合は謝罪して何らかの補償を行うのが普通だ。しかし無人機の場合は秘密裏に作戦を展開しているという性質上、必然的に過ちを犯したとしても、米当局者は何も言わない。
さらに悪いことに、作戦は完璧であり、民間人を殺害したことはないと主張することもある。当時オバマ大統領の対テロ問題担当補佐官だったジョン・ブレナン氏は2011年6月に、ほぼ1年の間、「巻き添えによる死者は1人も出ていない」と言い切った。同氏は現在、米中央情報局(CIA)長官を務める。
オバマ大統領は無人機の問題に対応するため、5月23日にワシントンで対テロ政策について演説し、「いかなる攻撃においても、事前に民間人の死傷者が出ないことをほぼ確実にしなければならない」と言明した。
この演説以降、オバマ政権は、CIAがパキスタン国内で行う無人機攻撃の回数を激減させ、イエメンでもわずかに減らした。