F22デモ飛行チームで初、アフリカ系パイロットが見据えるもの
アトランタ(CNN) 米バージニア州バージニアビーチの自宅の上空を米軍戦闘機がごう音を立てて飛んでいく――。ポール・ロペスさんは、子ども時代のそんな思い出を今でも大切に胸に秘めている。
「F14トムキャットやF18ホーネットを見るたびに、あのコックピットに座って編隊飛行するのはどんな感覚なんだろう、といつも思っていた」と語るロペスさん。今では米空軍が編成するF22のデモ飛行チームで初のアフリカ系パイロットだ。「あれが情熱の原点だった」と振り返る。
ロペスさんが操るF22ラプターは空軍のステルス戦闘機で、空中戦や対地戦を念頭に開発された。
デモ飛行チームは、オーストラリアやチリ、カナダといった各地の航空ショーで空を駆けている。その使命はラプターの曲芸飛行能力を示すことだが、一方で空軍のPRの役割も多少兼ねている。
米軍のデモ飛行隊にはF22チームのほか、海軍の「ブルーエンジェルス」や空軍の「サンダーバーズ」といった曲芸飛行チームもある。航空ショー関連の国際団体によると、米国とカナダだけで毎年少なくとも325のショーを開催。年間およそ1億1000万ドルの収益を上げるビジネスとなっている。
ラプター
F22は世界最高水準の技術を搭載した戦闘機で、そのステルス機能や空力性能、コンピューターシステムは他機の追随を許さない洗練ぶりだ。
F22の技術は機密性が非常に高く、空軍はコックピットの撮影を許可していない。