不安それとも歓迎? トランプ氏が欲しがるグリーンランド、地元住民の意見は
デンマークか米国か、それとも独立か
グリーンランドの将来をめぐっては、独立運動をめぐる臆測も高まっている。
グリーンランドのムテ・エーエデ首相は新年の演説で、「植民地主義の束縛」からグリーンランドを解放すべきだと力説した。ただしこの演説では米国には言及しなかった。
デンマークのラース・ルッケ・ラスムセン外相は8日の記者会見で、独立問題はトランプ発言とは切り離して考えるべきだとの考えを示し、「グリーンランドに独自の野心があることは十分に認識している。もしもそれが具現化すれば、グリーンランドは独立するだろう。だが米国の連邦州になるという野望では決してない」と話した。
トランプ氏の長男トランプ・ジュニア氏が7日にグリーンランドを訪問した際は、大勢の人たちが「MAGA(米国を再び偉大に、トランプのスローガン)」の文字が入った帽子姿で出迎えた。
しかしCNNの取材に応じたグリーンランド出身のデンマーク議会議員、アーヤ・ケムニッツ氏は、そうした人たちは住民を代表する存在ではないと述べ、もしトランプ氏の野望が実現すれば、グリーンランドを離れるという住民もいると指摘する。
将来的にはグリーンランド独立の是非を問う住民投票が実施される可能性があるとケムニッツ氏は言い、結果としてビジネス、防衛、資源、観光に関して米国との関係が強まるかもしれないと予想する。
その上で、「それでもグリーンランドはMAGAではないし、MAGAにはならない」と強調した。