宗教の自由、エジプトや中国などで悪化 米国務省が年次報告
報告書は宗教の自由が長年にわたり制限されている国として、サウジアラビア、エリトリア、北朝鮮、イランを挙げた。また、宗教上の冒とくを理由に死刑判決が出たパキスタンや、イスラム教徒以外の人々をイスラム法により裁いたアフガニスタンなどにも懸念を示した。
中国については、昨年1年間で事態が特に悪化したとの見方を示し、チベット仏教への締め付けが強化された結果、僧侶ら少なくとも12人が焼身自殺したと報告。さらに、新疆ウイグル自治区ではイスラム教徒が深刻な弾圧を受けていると批判した。
報告書はまた、欧州諸国に外国人の排斥運動や反ユダヤ教、反イスラム教の動きが広がっていると指摘した。さらに、ロシアやイラク、ナイジェリアでは、「対テロ戦」という名目で平和的な宗教活動が取り締まりの対象になったとしている。
報告書は一方で、歓迎すべき動きとして、トルコが過去に宗教団体から没収した資産の返還を容易にする決定をしたこと、リビア最高裁がイスラム教への冒とくを罰する法律を覆したことなどを挙げた。