112人死亡の工場火災、「破壊行為が原因」 バングラデシュ当局
ダッカ(CNN) バングラデシュの首都ダッカ近郊にある衣料品工場で先月発生した火災の原因を調べていた政府の調査委員会は17日、何者かによる「破壊行為」だったとの結論を出した。
委員会は報告書の中で、犯人を特定するには情報、警察機関がさらに捜査する必要があると指摘した。また工場の安全対策を怠った重大な過失があるとして、経営者を訴追すべきだとの立場を示した。
火災は11月24日、ダッカ近郊アシュリア地区で発生し、112人が死亡、200人以上が負傷した。死者の大半は女性で、半数近くの遺体は身元が特定できないほど損傷が激しかった。ハシナ首相も火災から数日後の時点で、計画的な放火だったとの見方を示していた。
調査委員会を率いた内務当局 高官は、「適切な安全措置を取っていれば犠牲者はもっと少なく抑えられたはずだ」と述べた。経営者は地元メディアとのインタビューで工場の安全対策に不備があったことを認める一方、自身は不備を認識していなかったと話している。
すでに工場の中間管理職の地位にあった3人が逮捕、収監されている。3人は火災報知機の音を「訓練のため」と説明し、従業員の避難を妨げたとして責任を問われた。
委員会の報告書は、経営者のほか中間管理職の少なくとも9人を起訴すべきだと結論付けた。また、全国にある衣料品工場などの施設の安全確保に向け、政府が強力な対策本部を設けるべきだと勧告している。