シリア犠牲者の遺体に「拷問の跡」、アサド政権が関与か
(CNN) 各国の戦争犯罪を裁いてきた法律や法医学の専門家チームが、シリアのアサド政権に拷問され、殺害されたとする犠牲者数千人の遺体を写した写真を調べ、報告書をまとめた。「シリア政府が拘束した人物を組織的に拷問し、殺害している直接的な証拠」になると指摘している。CNNと英紙ガーディアンは報告書を入手し、関係者を独占取材した。
調査団は、シリア政府の離反者とされる人物が国外に持ち出した遺体の写真2万6948枚を調べ、このうち835枚を専門的な立場から検証。150人の遺体については特に詳しく調べた。
報告書によれば、遺体には極度の飢えにさらされ、ひどい暴行を受けたり首を絞められるなどの拷問を受けた痕跡があったとされる。
詳しく調べた150人の遺体の写真では、62%が極度の飢餓状態にあったことを示していた。犠牲者の大半は20~40代の男性だった。
飢餓状態に置かれていたとみられる犠牲者の遺体は、腹部や顔面、両足に至るまで極端にやせ細って肉がそげ落ちていた。皮膚が変色するほど強く殴られたような跡や、出血跡、皮膚が裂けた跡がある遺体、首から骨盤付近まで隙間のないほど無数の傷に覆われた遺体もあった。