武装勢力が大統領補佐官を拉致、新憲法で対立か イエメン
サヌア(CNN) イエメンの首都サヌアの中心街で17日、ハディ大統領の首席補佐官を務めるアハメド・ムバラク氏が拉致された。イスラム教シーア派系のザイド派武装勢力が犯行声明を出した。
治安当局者らによると、ムバラク氏は同日朝、武装集団に連れ去られた。ハディ大統領は昨年10月に同氏を首相候補に指名したが、ザイド派がこれを拒否していた。
ザイド派の報道担当者はCNNに、拉致はハディ大統領へのメッセージだと語り、大統領が自分たちの同意を得ずに新憲法を制定しようとしていると非難した。
政権の事情に詳しいイエメン当局者もCNNとのインタビューで、拉致の背景には憲法制定を巡る対立があるとの見方を示した。
ザイド派は昨年、政権に反発してサヌアへ攻め込み、激しい戦闘を展開。この戦闘では1カ月間に300人以上の死者が出た。9月に政府との停戦合意に署名した後は、政府や金融機関の主要ポストにメンバーを送り込んでいた。
在イエメンの英大使と米大使館はともに、同氏の即時解放を求める声明を発表した。