ローマ法王、スーチー氏と会談 「ロヒンギャ」の言葉使わず
「ミャンマーは美しい自然や資源に恵まれているが、最大の財産は国民だ。その国民が、あまりに長く続いた衝突や対立によって苦しみ続け、深い分断が生じている」。フランシスコ法王はそう指摘した。
「平和を立て直そうとする国家として、そうした傷を癒やすことを、政治的、精神的な最重要課題としなければならない。この課題に取り組む政府の取り組みに敬意を表する」
ローマ法王庁とミャンマーが公式な関係を確立したのは、今回の訪問の半年前だった。
仏教徒が大部分を占めるミャンマーで、イスラム教のロヒンギャは長年にわたって迫害されてきた。政府関係者はロヒンギャという言葉は使わない。この少数派住民は何百年も前からミャンマーで暮らしてきたにもかかわらず、バングラデシュからの不法移民とみなされている。
だがさまざまな宗教指導者の連携は、「素晴らしい兆候」だとフランシスコ法王は言う。「宗教的違いが、分断や不信の根源になってはならない。それよりも、結束、許し、寛容、賢明な国家建設のための力としなければならない」「宗教は、長年にわたる紛争で苦しんできた人たちの感情的、精神的、心理的傷を治すために大きな役割を果たすことができる」