全国で国籍法改正への抗議デモ、3人死亡 インド
(CNN) インド各地の少なくとも15都市で19日、国籍法改正に抗議するデモがあり、銃で撃たれるなどした3人が死亡した。一部の地域では公共の場での集会を禁止する措置を取っているが、イスラム教徒に差別的な内容だとして法改正に反発する声が根強く、この日は数千人が街頭に繰り出した。
各地の病院関係者によると、南部カルナタカ州マンガロールでは、デモ中に負傷した2人が死亡。北部ウッタルプラデシュ州ラクノーでは、銃器による負傷が原因で1人が死亡した。
首都ニューデリーでは、当局がデモを阻止しようと試みたものの効果がなく、詰めかけた群衆によって中心部がまひ状態に陥った。
ニューデリーの地下鉄は、安全上の理由から複数の駅を閉鎖。航空会社のエア・インディアやインディゴは便の遅れなどを受け、出発便の全ての乗客に料金を払い戻した。
ムンバイ、コルカタ、ハイデラバード、チェンナイなどの大都市でも大勢の人が集結。南部ベンガルール(バンガロール)では2カ所でデモ隊が解散を拒み、警察が正午までに70人を拘束する事態となった。
過熱するデモの背景には、先週成立した改正国籍法に対する国民の怒りがある。同法は2015年以前に周辺国から入国した宗教的少数派にインド国籍を付与する内容だが、イスラム教徒は除外される。
この法律について批判派からは、宗教を基準に国籍を付与するもので違憲であり、インドに住む2億人のイスラム教徒をさらに冷遇する結果になるとの指摘が出ている。