住民に健康被害、美しいビーチが油まみれ 沈没タンカーから大量流出 フィリピン
駐フィリピン日本大使は8日、除去作業を支援するため日本から災害対策チームを派遣するとツイートした。フィリピン沿岸警備隊によれば、流出を封じ込めようとする取り組みは、作業員の健康と安全上の理由から、何度も中断されている。
一方、当局は沈没したタンカーの回収を急いでいる。沈没地点に近いベルデ島航路は、首都マニラのあるルソン島とミンドロ島を結ぶ主要海上輸送路となっている。
沿岸警備隊によると、MTプリンセス・エンプレスは工業用燃料油80万リットルを積んでフィリピン北部バターン州から中部のイロイロ州へ向かう途中、エンジンが過熱して沈没した。
油のたまった海岸線=8日、フィリピン東ミンドロ州ポラ/Ezra Acayan/Getty Images
DENRは、1日に3万5000~5万リットルの油が船体から流出していると推定。油は遠く離れたクヨ諸島にまで到達しているという。フィリピン大学海洋科学研究所は、今後も南西の方角への流出が続き、多様な生態系をもつ北部のパラワン島が脅かされると予想している。
沿岸警備隊は慎重を期すための措置として、再生作業を経て2018年に観光客の受け入れを再開したばかりのリゾート島、ボラカイ島にも人員を配置した。
フィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領は8日、除去作業が4カ月以内に完了することを期待するとの声明を発表した。