地上侵攻迫るラファ、詰めかけたパレスチナ人100万人以上の逃げ場なく
国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、ガザ地区の推定200万人あまりの人口のうち、半数以上がラファ地域に避難している。近隣の戦闘激化に伴い、食料や水、避難所、医薬品の深刻な不足に直面している避難者が、ラファに押し寄せ続けている。
ダフマンさんは「マメや肉の缶詰などの食事や水はその日その日で購入する。水は手に入るが、給水所で水をくむのに1時間かかる」と訴えた。
「電気はほぼ存在しない」といい、このためパレスチナ人がイスラエル軍の接近に関する情報を入手するのは難しい。「携帯電話はラファの友人の家にある太陽エネルギーを使って充電する」「イスラエルとエジプトの通信網以外に携帯電話の電波はない」(ダフマンさん)
ダフマンさん一家は昨年10月中旬にガザ市を離れ、11月にハンユニスへ移動したが、12月に再び退避を強いられてラファへ向かった。
やはり同地に避難しているヨセフ・アブ・クワイクさん(23)も、3カ月ほど前にハンユニスを離れてラファに向かったという。
「私たちはラファのマワシ地区のテントで暮らしている。人数は20人を超えている」。食料や水は手に入りにくく、「手に入ったとしても、ものすごく高い」とクワイクさんは言い、「医薬品は一切存在しない」と語った。
国連人道問題調整事務所の報道官は先週の記者会見で、「ここ数日、数千人のパレスチナ人が南へ逃れ続けている。ここには既に、ガザ地区の人口230万人の半数以上がいる。ほとんどは仮設の建物やテント、あるいは屋外で暮らしている」と述べ、「ラファは絶望の圧力釜だ。次に何が起きるのかを恐れている」と危機感を示した。