ベイルート攻撃、中東の緊張高まる イランやハマスがイスラエル批判
(CNN) イスラエル軍による30日のレバノンの首都ベイルートへの攻撃で、少なくとも女性1人が死亡、複数が負傷した。レバノン国営通信NNAが伝えた。イランやイスラム組織ハマス、イエメンの反政府武装組織フーシはイスラエル軍の攻撃を批判し、中東情勢は緊張が高まっている。
イスラエルの当局者はCNNに、今回のベイルート南部への攻撃はレバノンの武装組織ヒズボラの司令官フアド・シュクル氏を狙ったものだったことを明らかにした。
米政府のウェブサイトによると、シュクル氏はヒズボラの指導者ハッサン・ナスララ師の上級顧問を務める。シュクル氏は1983年10月23日にレバノンで発生した米海兵隊の宿舎を爆破した事件で中心的な役割を果たしたとして、国務省は500万ドル(約7億6000万円)の懸賞金付きで同氏に関する情報の提供を呼びかけている。この宿舎爆破事件では米兵241人が死亡した。
レバノン政府の高官がCNNに明らかにしたところによると、シュクル氏は死亡していないという。
ベイルートへの攻撃を受けて、イランの在レバノン大使館は「ひきょうで罪深いイスラエルの攻撃を最も強い言葉で非難する」とX(旧ツイッター)に投稿した。
イランを後ろ盾とするフーシやハマスもレバノンとの連帯を示し、イスラエルを批判する声明を出した。ハマスはまた、今回のイスラエルの攻撃を「危険なエスカレーション」とみなすと指摘した。
イスラエル軍は、今回のベイルート攻撃について、イスラエルが占領するゴラン高原への攻撃の報復としている。イスラエルはヒズボラがゴラン高原をロケット弾で攻撃し、子ども12人が死亡したとしているが、ヒズボラは関与を否定している。