初期の人類が氷河期を生き延びるのに役立った道具、米遺跡で発見
科学者は、針からコラーゲンを抽出し、特に「ペプチド」と呼ばれるアミノ酸を分析。さらに、それを北米に当時生息していたことが知られている動物のペプチドのデータと比較することで結論を導いた。
ラ・プレールの遺跡は1986年に発見されていた。考古学者によれば、その場所は、先史時代の人々が若いマンモスを殺したか、マンモスの死体を処理するために一時的な野営地をもうけたと考えられている。遺跡の古さと、いくつかの特徴的な遺物を考えると、この遺跡で野営していた人々は北米で知られている最古の人類の集団であるクロービス文化の出身である可能性が高い。
ペルトン氏によれば、小さな針を発見するためには、徹底的かつ正確な発掘が必要だった。チームは、比較的密度の高い遺物が特定されるまで1平方メートルの試験用の穴を掘ることで、埋まっている遺物の濃度を特定した。25平方メートルから30平方メートルの大規模な調査によって、数十の仮設住宅の床が明らかになった。
それでも、掘削された堆積(たいせき)物をふるい分けるために1.6ミリの細かいスクリーンメッシュを使って、ようやく針を見つけることができた。
ペルトン氏によれば、こうした精度で発掘された遺跡は比較的少ないため、以前の発掘中に骨の針が失われた可能性がある。
ペルトン氏によれば、最後の氷河期の終わりごろに先史時代の人々が現地で居住していた。気温は現在よりも5~7度低かったと考えられている。