ボイジャー1号と2号、科学計器を一部停止 星間空間でのミッション継続のため
未踏の領域を調べる
太陽系の巨大惑星のフライバイ(接近通過)を実施する目的で設計されたボイジャー1号と2号は今や、地球から最も遠い位置にある人工物となっている。
NASAによると、ボイジャー1号は地球から約240億キロ、2号は209億キロあまり離れた位置を飛行中。冥王星軌道のはるか向こうに広がり、太陽の磁場や粒子が届く領域「ヘリオスフィア(太陽圏)」の外側で稼働する宇宙探査機はこの2機のみだ。
70~80年代の惑星フライバイで必要とされた計器は、当初の目標を完遂後に停止された。だが、ヘリオスフィアや星間空間のデータを収集するため、ボイジャー担当チームは残りの計器の稼働を継続していた。
ボイジャー1号は2012年、恒星間の空間に当たる星間空間に突入。2号も18年に星間空間に入った。両機の軌道は異なり、ボイジャー1号は太陽系惑星の公転軌道面より上、ボイジャー2号は公転軌道面より下を飛行している。
ボイジャーのチームはかねて、両探査機が旅を継続できるよう、計器を一つずつ停止してきた。昨年10月には、NASAがボイジャー2号のプラズマ科学計器を停止。ボイジャー1号の同じ計器も性能の経年劣化を理由に、何年も前から停止されている。