トランプ氏の免責特権巡る主張、控訴裁の審理でわかったこと

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控訴裁の3人の判事は免責特権の理論について疑問を呈した/Bill Hennessy

控訴裁の3人の判事は免責特権の理論について疑問を呈した/Bill Hennessy

判事らは免責特権の範囲と影響に懸念

トランプ氏の弁護士を務めるジョン・サウアー氏は、20年大統領選に敗れてからのトランプ氏の行動は大統領としての職務の一部であるから同氏には免責特権が認められると主張。またトランプ氏が刑事訴追されるのは、その同じ行動により連邦議会で弾劾(だんがい)裁判にかけられ有罪になった場合のみだとした。

これに対し、ブッシュ(父)元大統領の任命したカレン・ヘンダーソン判事は、トランプ氏が公職の範囲内で行動したとの見方を疑問視。「憲法上の義務を忠実に遂行することで刑法への違反が許されるというのは矛盾に思える」と述べた。

またバイデン大統領が任命したフローレンス・パン判事は、ある仮説によってサウアー弁護士の主張に疑問を投げかけた。

「大統領は(特殊部隊の)ネイビーシールズ:チーム6に対して、政治的なライバルの暗殺を命令することができますか? それは職務上の行動ですが、ネイビーシールズ:チーム6に命令を?」(パン氏)

サウアー氏は「その場合大統領は、速やかに弾劾裁判で有罪評決を受けなくてはならないでしょう。刑事訴追の前に」と答えた。

パン氏からイエスかノーかで答えるよう促されるとサウアー氏は、「まず弾劾裁判で有罪評決を受けることが条件になる」と返答。その後も、いかなる訴追もその前には弾劾という「政治的手続き」が「発生しなくてはならない」と主張した。

トランプ氏は21年2月、連邦議会議事堂乱入事件を巡って議会上院での弾劾裁判で無罪評決を受けている。

パン氏はこの他、大統領が金銭などの見返りと引き替えに犯罪者に恩赦を与えた場合にも免責特権は適用されるのかと質問。敵国に軍事機密を売り渡した場合はどうかとも尋ねた。

特別検察官側は判事のこの想定を受けて、将来の大統領経験者を訴追する何らかの仕組みがなければ大変に恐ろしい事態が生じるだろうと述べた。

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