中国で進む「改革」 その現状は
当局はその周氏の家族や側近を相次いで拘束、150億ドル(約1兆5000億円)相当の資産を差し押さえた。
汚職摘発は軍部にも及んでいる。報道によれば、軍事検察院は3月、軍総後勤部の副部長だった谷俊山中将を起訴したという。職権乱用により不正に蓄財し、自宅の豪邸を建設するなどした疑惑だ。
第2にあげるべき変化は、環境対策だ。昨年7月に公表された研究によると、中国北部では大気汚染により平均寿命が5.5年短くなっているという。
こうした事態を受け、当局も対策に本腰を入れ始めた。まず、大気汚染削減に向け2800億ドル(約28兆円)を投入することを約束。今年に入ってからは、1万5000カ所の工場を直接検査し、汚染物質の排出状況を公表している。
水質汚染にも抗議の声が上がっているが、この水問題についても、今年2月、3300億ドル(約33兆円)を投じる計画が発表された。
このように当局が大規模な環境対策に乗り出している背景には、国民の不満のほかにも、経済成長が減速することへの懸念がある。